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シニアコミュニケーションの粉飾

2010⁄06⁄18(金) 00:45
こんばんわ。

今回はFOIで好評だった粉飾ネタについて別の会社のものを紹介しようと思います。

シニアコミュニケーション(2463)の粉飾決算について、
先日、外部調査委員会による調査報告書がリリースされましたが、その内容がひどい(色々なところで話題になっていましたが、やっと読みました。。)。

参考:外部調査委員会による調査報告書のご報告について(会社IR情報)

「不適切な会計処理等が行われた概要」として、

1 会計証憑を偽造することによる架空売上計上
2 進行基準が適用された売上についての修正
3 不正送金による滞留売掛金入金填補
4 残高確認の監査手続に対する犯罪行為

の4点にまとめられていて、どれもまぁ…ひどい内容なのですが、
特に4の「残高確認の監査手続に対する犯罪行為」には驚きました。
(以下、『』は調査報告書からの引用部分)

『前述のとおり、当社においては、平成17年3月期以降、架空売上計上が常習的に行われていた。当社の会計監査担当の監査法人は、毎決算時において残高確認の監査手続を行っていた。ここで、残高確認の監査手続とは、被監査会社の決算時点の売掛金等の残高について、監査法人が当該売掛金等の残高が記載された残高確認状を直接取引先に郵送し、取引先から郵送にて直接回答を得る監査手続である。通常、残高確認の監査手続によって得られた証拠は、外部証拠として強力な監査証拠となる。』

そう。記載の通り「確認」は監査人として重要な手続きなのです。
ここからが「犯罪行為」の内容です。

『馬谷氏は、この監査法人の行う残高確認の手続において、平成17年3月期決算においては、監査法人が残高確認状を取引先に直接郵送した後、架空売上計上が行われていた取引先に対して、渡部氏や営業担当者に、「監査法人から残高確認状が届くが、記入金額に誤謬があったため、開封せず直接シニアコミュニケーションに返送して欲しい」旨の電話連絡することを依頼した。馬谷氏は、取引先から返送されてきた残高確認状に、会計監査上問題とならないような回答記入を行い、偽造した取引先の担当者印又は代表印を捺印して、X 氏に命じて、消印が取引先住所地管轄郵便局となるよう、取引先の住所地近くのポストまで出向かせ、監査法人宛残高確認状の返信郵便の投函を行わせた。

平成18年3月期以降は、馬谷氏は、監査法人の担当公認会計士が郵便ポストに投函した残高確認状を直接的に詐取することをX 氏に命じていた。X 氏は、担当公認会計士が郵便ポストに残高確認状を投函する際これを尾行し、担当公認会計士が残高確認状を郵便ポストに投函後、その場から立ち去ったことを確認し、郵便局の集配係が来るのを近くで待ち伏せ、集配係が来たところで、「郵便物投函後に、内容に誤謬があることに気付いたので、この場で郵便物を回収させて欲しい」旨伝え、投函された全ての残高確認状を回収していた。

これらの一連の信書隠匿及び開封という犯罪行為により、強力な監査証拠となるべき残高確認状の証拠力が無力化され、その結果、監査法人の会計監査において、架空売上計上及び貸倒引当金計上の指摘が行われる機会が奪われた。』とのこと。

これはひどいwww
というか、ここまでされた監査人としてもお手上げな感じはありますね。。

これからは、確認状発送の際尾行されてないことの確認もしないとですね(爆

ちなみに、その他のものの内容は
1⇒監査法人への説明会計証憑(発注書、検収書等)の偽造
2⇒売上の前倒し計上
3⇒途中で頓挫・減額された案件や売上計上後入金されない案件のATMからの入金填補処理

といったものなのですが、どれも確かに監査証拠をこう偽造されたら困るなぁと感じますね。ホント上手くやりましたね。。きっと、頭いいんでしょうね。この能力を別の形で発揮できたらよかったんでしょうけど。

監査人として、証憑突合の無意味さを痛感しますね。やはり定性的な分析(増減理由とかその他指標との整合性)などは大事ですね。

ちなみにシニアコミュニケーションはFOIの粉飾事例と似たところがあります。
①上場前から売掛金の多さが目立っていた。
②主幹事はみずほインベスターズ証券。
③上場時の監査法人は新創監査法人(大手監査法人ではない)。
④市場は東証マザーズ。

FOIの報告書も楽しみにしておきます。

長文にお付き合い頂きありがとうございました。

↓粉飾関係でオススメな本です。

財務数値を使って粉飾手法の解説をしていて会計士的にもタメになりますし、かなり解り易く書いてあった記憶がありますので、会計の知識がない方にも読めるかと(まぁ、そういう方はあまり興味ないでしょうが)

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Comment

面白かったです。是非第三弾もお願いします。
新創監査法人ってどこかで聞いたことあると
思ったら、トーマツの監査してるところですねw
2010⁄06⁄18(金) 07:21 |

.tomoyaさん、こんにちは。

Budgieです。

本件は、そのうち事例問題として本試験か予備校のにでてきますかね?

この間の監査論の答練でも売掛金架空計上がネタででした。

で、今回の場合の犯罪行為に対してですが、対策として

①監査人自身が得意先に対して送った確認状がどうなったか電話かメールで確認する。

②確認状はワードファイルにしてメールに添付して送る。その際、確認状ワードファイルは暗号化しておき、解除キーは監査法人から直接得意先に知らせる。
得意先に確認状を復号後、必要事項を記入してもらい、同様に暗号化してもらって直接監査法人にメールに添付して送ってもらう。

①は面倒?②は相手方の担当者印などの問題がありますけどね。あと、「書面」でなくなってしまう・・

①②いずれも得意先が協力していたら無力ですが・・
それでは。
2010⁄06⁄18(金) 09:54 |

こんなに良く出来た調査報告書って、なかなか珍しいですよね。
勉強になるので、何度も読んでしまいました。

しかし、手口が巧妙すぎて、何度読んでもフィクションに思えてしまいます。。
2010⁄06⁄20(日) 22:45 |

Re: タイトルなし

>関西人さん

こんばんわ。
レス遅くなり申し訳ございません。

第三弾…考えておきます。

> 新創監査法人ってどこかで聞いたことあると
> 思ったら、トーマツの監査してるところですねw
ほんとですね。。
トーマツ大丈夫か!?ww
2010⁄07⁄01(木) 00:07 |

Re: タイトルなし

Budgieさん

こんばんわ。
レス遅くなり申し訳ございません。

> 本件は、そのうち事例問題として本試験か予備校のにでてきますかね?
> この間の監査論の答練でも売掛金架空計上がネタででした。

まぁ、これの予防策など問われても答えようがないですし、学問としてはどうでしょう?
気分転換くらいにはなりますかね??
そんな時事ネタでるんですねー。

①は面倒なのと、誠実な対応をしてくださっている得意先にも行うことになるので難しそうですね。
②はおっしゃる通りの問題があると思います。
そもそも郵便で直接回収するっていう確認の手続き自体がもう古いのかもしれませんね。。
こんなことが起こりうるなら証拠力の強い手続といえないですし。

まぁ、確認の手続きがなくなることはないでしょうがね。
2010⁄07⁄01(木) 00:19 |

Re: タイトルなし

>HAYさん

こんばんわ。
レスが遅くなってしまい、申し訳ございません。

こんなことってあるんですね。。
「事実は小説より奇なり」っていうですかね。

> しかし、手口が巧妙すぎて、何度読んでもフィクションに思えてしまいます。。
ほんとに面白い読み物です。
2010⁄07⁄01(木) 00:23 |

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